2026.05.18

キャリアコンサルタントの仕事内容とは?年収・向き不向きを解説

キャリアコンサルタントが相談者と対話しながらキャリア相談を行う様子

「キャリアコンサルタントに興味があるけれど、具体的にどんな仕事をするのかイメージが湧かない」「自分に向いている仕事なのかわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

キャリア支援の専門家として注目されるキャリアコンサルタントですが、実際の業務内容や年収、そして現場のリアルな実態を知らないまま目指してしまうと、「思っていた働き方と違った」と後悔する可能性があります。

この記事では、キャリアコンサルタントを目指す方に向けて、以下のことを解説します。

  • キャリアコンサルタントの具体的な仕事内容
  • 平均年収と働き方による収入の違い
  • キャリアコンサルタントに向いている人の特徴
  • 現役コンサルタントが語るやりがいと厳しい現実
  • 今後の将来性とAI時代における価値

10年以上の経験を持つ現役キャリアコンサルタントへのアンケート結果を交えながら、現場のリアルな情報をお届けします。

目次

キャリアコンサルタントの仕事内容

キャリアコンサルタントが資料を確認しながらアドバイス準備をする様子

キャリアコンサルタントは、相談者の職業選択やキャリア形成を支援する専門家です。

単に仕事を紹介するだけでなく、その人の人生そのものに向き合う重要な役割を担っています。

キャリア相談とカウンセリング

キャリアコンサルタントの主な仕事は、求職者や労働者の適性、経験、スキルを分析し、最適なキャリア形成を支援することです。

相談者のこれまでの経歴を棚卸しし、強みや価値観を引き出しながら、将来の方向性を一緒に考えます。

時には、仕事上の悩みや人間関係のトラブルに対するカウンセリングを行い、メンタル面のサポートを行うこともあります。

相談者が自分自身で納得のいく決断ができるよう、伴走することが最大の役割です。

企業向けの研修・組織改善

個人向けの相談だけでなく、企業(BtoB)に向けた研修や組織改善も重要な仕事です。

現役キャリアコンサルタントへのアンケートによると、「社長や経営者の思いや視点、従業員やスタッフの気持ちや現状など、それぞれが相違すれば、必ず現場に不調和が生じます。それを調和する懸け橋になりたい」という声がありました。

企業内で面談や研修を実施し、経営陣と従業員の間のギャップを埋めることで、離職防止や職場環境の改善に貢献します。

キャリアコンサルタントの平均年収

ノートPCを使いながら相談内容を確認するキャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントを目指す上で、収入面の実態を把握しておくことは大切です。

厚生労働省のデータに基づく平均年収や、働き方による違いを解説します。

平均年収と時給の目安

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、キャリアカウンセラー・キャリアコンサルタントの平均年収は約583.3万円です。

賃金(1時間当たり)の目安としては、一般労働者で2,876円、短時間労働者で2,086円とされています。

専門的な知識とスキルが求められる国家資格であるため、一般的な職業と比較すると高い水準にあることがわかります。

働き方による収入の違い

キャリアコンサルタントの収入は、働き方によって大きく異なります。

ハローワークや人材紹介会社、大学のキャリアセンターなどで正社員として働く場合は、安定した給与を得ることができます。

一方で、フリーランスとして独立し、企業と直接契約を結んで研修や面談を行う場合は、実力次第で年収1,000万円以上を目指すことも可能です。

現在の仕事を続けながら、週末だけ副業としてキャリア相談を請け負う働き方を選ぶ人も増えています。

キャリアコンサルタントに向いている人

女性キャリアコンサルタントが相談者の話を丁寧に聞くカウンセリング風景

キャリアコンサルタントは、人と深く関わる仕事であるため、特定の適性が求められます。

どのような人がこの仕事で活躍できるのかを解説します。

人の話を深く聴くことができる人

キャリアコンサルタントに最も求められるのは、「傾聴力」です。

現役コンサルタントへのアンケートでも、向いている人の特徴として「人の話を聞くことが好きな人」が挙げられています。

相談者の言葉の裏にある本音や悩みを引き出すためには、自分の意見を押し付けるのではなく、まずは相手の言葉をフラットに受け止め、共感する姿勢が不可欠です。

人間性を高め続けられる人

知識やスキルだけでなく、コンサルタント自身の「人間性」も重要です。

アンケートには、「本音を話せる『場』を作り、安心感を与える『人としての在り方』が求められる」という回答がありました。

相談者が心を開いて話せるような雰囲気を作り出すためには、コンサルタント自身が常に自己研鑽を積み、人間的な魅力を磨き続ける必要があります。

キャリアコンサルタントになるには

キャリア支援の内容をメモにまとめるキャリアコンサルタントの手元

キャリアコンサルタントとして活動するためには、どのようなステップを踏む必要があるのでしょうか。

資格取得のルートや費用について解説します。

国家資格の取得ルート

「キャリアコンサルタント」と名乗るには、国家資格の取得が必要です。

受験資格を得るためには、主に「厚生労働大臣が認定するキャリアコンサルタント養成講習を修了する」か、「キャリアコンサルティングに関する3年以上の実務経験を積む」必要があります。

その後、学科試験と実技試験に合格し、名簿に登録することで、晴れてキャリアコンサルタントとして活動できるようになります。

資格取得にかかる費用と時間

資格取得には、一定の費用と時間がかかります。

養成講習を受講する場合、受講料として約30万〜40万円程度の費用が必要です。

現役コンサルタントへのアンケートでも、取得にかかった費用として「約40万円」という回答がありました。

講習の受講から試験の合格までには、一般的に半年から1年程度の学習期間を見込んでおく必要があります。

現役キャリアコンサルタントのリアルな声

キャリア相談後に相談者とコミュニケーションを取るビジネスシーン

これからキャリアコンサルタントを目指す方にとって、現場で働く人の生の声は非常に参考になります。

10年以上の経験を持つ現役コンサルタントのアンケート結果を紹介します。

仕事のやりがい

キャリアコンサルタントの大きなやりがいは、相談者の人生の転機を支えることができる点です。

アンケートでは、「体調不良に関してどこに問題があるのかを見つけ、改善方法を伝えることで、職場復帰や退職せずに済むケースにやりがいを感じる」という声が寄せられました。

退職という人生の大きな決断において、後悔しない選択をサポートし、働きがいや生きがいを見出す手助けができることは、この仕事ならではの魅力です。

現場の厳しい現実

一方で、公には語られにくい現場の厳しい現実もあります。

企業(BtoB)向けの支援を行う場合、「会社組織へ導入するための助成金や補助金の制度が1年で打ち切りになった」といった制度の壁に直面することがあります。

「メンタルの時代と言いながら、会社組織内での対応は積極的でない」という声もあり、経営陣の理解を得ることの難しさが伺えます。

キャリアコンサルタントの将来性

オフィス内を歩くビジネスパーソンの足元イメージ

AI技術の進化や働き方の多様化が進む中、キャリアコンサルタントの将来性はどのように変化していくのでしょうか。

AIには代替できない感情のケア

AIの発展により、単純な情報提供や求人のマッチングは自動化される可能性があります。

しかし、キャリアコンサルタントの仕事がなくなるわけではありません。

現役コンサルタントは、「知識やノウハウではなく、人にしかできない感情を扱うプロフェッショナルとして人間性を高めていく必要がある」と語っています。

相談者の複雑な感情に寄り添い、安心感を与える対話は、AIには決して代替できない人間ならではの価値です。

多様化する働き方による需要拡大

終身雇用制度が崩れ、転職や副業、フリーランスといった多様な働き方が当たり前の時代になりました。

それに伴い、自分自身のキャリアをどう築いていくべきか悩む人は増え続けています。

企業側も従業員の定着率向上やメンタルヘルス対策に課題を抱えており、個人と組織の両面からアプローチできるキャリアコンサルタントの需要は、今後さらに拡大していくと考えられます。

キャリアコンサルタントのよくある質問

最後に、キャリアコンサルタントを目指す人が抱きやすい疑問について、Q&A形式で回答します。

未経験からでもなれますか?

未経験からでもキャリアコンサルタントになることは可能です。

厚生労働大臣が認定する養成講習を受講して修了すれば、実務経験がなくても国家資格の受験資格を得ることができます。

実際に、異業種から転身して活躍している人も多くいます。

副業・複業との相性は良いですか?

副業や複業との相性が良い仕事です。

オンラインでの面談や、週末だけの相談業務など、時間や場所の融通が利きやすいため、本業を持ちながら活動している人も少なくありません。

他のビジネススキルと掛け合わせることで、独自の強みを発揮できます。

フリーランスとして独立できますか?

経験と実績を積めば、フリーランスとして独立することも可能です。

ただし、資格を取得したからといってすぐに仕事が舞い込むわけではありません。

企業への営業活動や、個人クライアントを集客するためのマーケティングスキルなど、自ら仕事を受注する力が求められます。

資格取得にかかる期間はどれくらい?

養成講習の受講から試験の合格まで、一般的に半年から1年程度かかります。

養成講習は週1回の通学やオンライン学習で約3〜4ヶ月間行われ、その後、学科試験と実技試験に向けた試験対策を行うスケジュールが一般的です。

どのような場所で働けますか?

働く場所は多岐にわたります。

ハローワークやハローワークの関連施設、人材紹介・派遣会社、大学のキャリアセンター、企業の総務・人事部門などで活躍できます。

独立して自身のオフィスやオンラインで相談業務を行う働き方もあります。

まとめ

キャリアコンサルタントが相談者と面談を行うビジネスシーン

キャリアコンサルタントは、相談者の人生の転機に寄り添い、より良い働き方や生き方をサポートするやりがいのある仕事です。

  • 個人へのキャリア相談と、企業向けの組織改善が主な仕事
  • 平均年収は約583万円で、働き方によって収入の幅がある
  • 人の話を深く聴き、感情に寄り添える人が向いている
  • 資格取得には約40万円の費用と、半年〜1年の学習期間が必要
  • AIには代替できない「感情のケア」を担うため、将来性は高い

資格取得には費用や時間がかかり、企業側の理解を得る難しさといった厳しい現実もあります。

しかし、人が抱える悩みや感情に向き合い、解決に導くプロセスは、AIには決して真似できない価値があります。

人の役に立ちたい、誰かの人生をより良くするサポートがしたいと考えている方は、ぜひキャリアコンサルタントへの道を検討してみてください。

この記事を書いた人

岡﨑渉のアバター
フリーライター
これまでBtoCの営業やWebマーケティング、キャリアコンサルタントなど幅広い仕事を経験。700人以上のキャリア・人生の転機に携わってきた経験から、お仕事図鑑では、働く人のリアルを丁寧に届け、次の一歩のヒントになる編集を心がけています。
【資格】キャリアコンサルタント・宅地建物取引士・FP2級

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