「エンジニアに興味があるけれど、実際の年収はどれくらいなのだろうか」「未経験からでも目指せるのか、将来性はあるのだろうか」
このような疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
ITエンジニアが注目されることが多い一方で、製造業、建設業、化学、エネルギーといった分野で活躍する「非IT系エンジニア」も、高い専門性と技術力で社会を支える存在です。
本記事では、製造業や建設業などで活躍する「エンジニア」に焦点を当て、平均年収や職種別・業界別・年代別の給与水準を、詳しく解説します。
これからエンジニアを目指す方は、自身のキャリアプランを具体的に描くためにも、ぜひ参考にしてください。
エンジニアの平均年収と給与の全体像

非IT系のエンジニアの平均年収は、正社員で約400〜600万円台がボリュームゾーンとされています。
ただし、実際の年収は、経験年数、専門分野、企業規模、保有資格、勤務地など、さまざまな要素によって変動します。
これからエンジニアを目指す人が知っておきたい、年収を左右する主な要因を見ていきましょう。
業界の収益性
プラント、エネルギー、化学メーカーなど、利益率の高い業界では年収水準も高くなる傾向があります。
こうした業界は大規模な設備投資を伴うため、技術者にも給与として反映されやすいからです。
企業規模
一般的に、中小企業よりも大手企業の方が給与テーブルや福利厚生が充実しており、生涯年収も高くなる傾向があります。
また、大手企業では大規模プロジェクトに関わる機会も多く、経験を積むことでさらなるキャリアアップにつながります。
専門性と希少性
特定分野で高度な専門知識や希少なスキルを持つエンジニアは、年齢に関係なく高く評価されます。
例えば高度な解析技術や、最新の生産設備に関する知識などは市場価値が高く、年収にも反映されやすい分野です。
資格の有無
技術士、一級建築士、電気主任技術者などの難関国家資格は、専門性を証明する重要な要素です。
資格手当や昇進にも直結するため、年収を大きく押し上げる要因になります。
特に業務独占資格はキャリア形成において強い武器になります。
【職種別】主要エンジニアの年収ランキングと仕事内容

エンジニアの年収は、専門性や責任範囲によって大きく異なります。
ここでは製造業と建設業を中心に、主要な職種の年収目安と仕事内容、未経験から目指す場合のポイントを見ていきましょう。
製造業エンジニアの年収とキャリアパス
製造業では、製品開発の上流工程や工場全体を管理するポジションほど年収が高い傾向があります。
未経験からスタートする場合、まずは設計補助や生産管理などの業務を経験しながら、専門性を高めていくのが一般的です。
| 職種 | 平均年収(目安) | 仕事内容と未経験からの目指し方 |
| 工場長 | 880万円〜 | 工場の生産、安全、品質、コストの全責任を負う最高管理者。生産管理や品質管理の経験を積み、経営的視点を養う。 |
| 研究開発(R&D) | 750万円〜 | 新製品や新技術の基礎研究、素材改良など、企業の未来を創る探究を行う。大学や大学院での専門知識が求められることが多い。 |
| 品質管理・品質保証 | 750万円〜 | 製品が規格通りかを検査し、品質を保証する重要な役割。統計的品質管理(SQC)や国際規格(ISO)の知識が求められる。 |
| 設備設計・保全 | 750万円〜 | 工場の生産ラインや自動化設備を設計・導入・メンテナンスする。生産性向上に直結する。 |
| 機械設計 | 670万円〜 | CAD等を用いて機械製品の構造や部品を設計する。未経験者はアシスタントからスタートし、3D-CADスキルを習得。 |
| 組み込みエンジニア | 570万円〜 | 家電や産業機械を制御する組込みシステムを開発する。ハードウェアとソフトウェア両方の知識が求められる。 |
| 生産管理・生産技術 | 520万円〜 | 生産計画、資材調達、在庫管理など、工場の流れを最適化する。未経験者は製造現場での経験からスタート。 |
建設業エンジニアの年収とキャリアパス
建設業では、社会インフラ整備や都市開発に関わるエンジニアが多く活躍しています。
この分野では、特に専門資格の有無が年収に大きく影響します。
未経験から目指す場合は、まず施工管理などの業務に関わりながら実務経験を積み、施工管理技士などの資格取得を目指すケースが一般的です。
| 職種 | 平均年収(目安) | 仕事内容と未経験からの目指し方 |
| 建築士(一級) | 600万円〜 | 建築物の設計・工事監理を行う国家資格者。未経験者は二級建築士からスタートし、実務経験を積んで一級を目指す。 |
| 施工管理技士 | 480万円〜700万円 | 建設工事の四大管理(工程、品質、安全、原価)を担う現場の司令塔。未経験者は助手からスタートし、実務経験を積んで資格取得。 |
| 建設コンサルタント | 550万円〜800万円 | プロジェクトの企画、調査、設計に関する専門的助言を行う。技術士などの上位資格を持つと有利。 |
| 設備設計(建築) | 500万円〜750万円 | 建築物内の空調、給排水、電気設備を設計する。未経験者はCADオペレーターやアシスタントから。 |
| 構造設計 | 550万円〜850万円 | 建築物の構造計算を行い、安全な構造を設計する専門職。未経験者は構造計算補助からスタート。 |
【年代・役職別】エンジニアの年収推移モデル

エンジニアの年収は、経験を積むことで段階的に上昇していく傾向があります。
未経験からスタートする場合でも、キャリアの積み重ねによって大きく年収を伸ばすことが可能です。
ここからはエンジニアの年収推移モデルを見ていきましょう。
20代(若手・担当者クラス)
年収350万円〜550万円程度。
未経験からエンジニアとしてキャリアをスタートする時期です。
基礎的な知識と実務経験を積むことが中心となり、先輩エンジニアの指導のもと、設計補助や試験業務などを担当します。
この時期は幅広い知識を吸収し、自分の専門分野を見つけることが重要です。
30代(中堅・主任クラス)
年収500万円〜750万円程度。
実務経験を積み、特定分野で専門性を確立していく時期です。
チームリーダーとして後輩を指導する立場になることも増え、プロジェクトにおける責任も大きくなります。
資格取得や高度なスキルの習得によって、さらに年収が伸びやすい段階です。
40代(管理職・課長クラス)
年収700万円〜950万円程度。
プロジェクトマネージャーや課長として、チーム全体のマネジメントを担う立場になります。
技術力だけでなく、予算管理や人材育成などのマネジメント能力も求められ、年収も大きく上昇します。
50代以降(部長・専門役員クラス)
年収900万円〜1,200万円以上。
事業部長や技術顧問、工場長など、経営に近いポジションを担うケースもあります。
長年の経験と実績が評価され、年収1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
未経験からエンジニアを目指すためのロードマップ

エンジニアの年収やキャリアの可能性を知り、「自分も挑戦してみたい」と感じた人もいるでしょう。
ここでは、未経験からエンジニアになるための基本的なステップを整理します。
興味のある分野を決めて基礎知識を学ぶ
まずは製造業、建設業、化学、エネルギーなど、どの分野のエンジニアを目指すのかを明確にします。
そのうえで、機械工学や電気工学、建築学など、必要な基礎知識を学びましょう。
専門学校や大学、オンライン講座など、学習手段は多様です。
関連資格を取得する
未経験でも取得しやすい資格(電気工事士、危険物取扱者など)から挑戦すると、知識の証明になります。
これらの資格は実務経験を積む際にも有利に働き、将来的に上位資格を目指す足がかりになります。
実務経験を積む
未経験の場合、まずはアシスタントや補助業務からスタートすることが多くなります。
現場でのOJTを通して経験を積み、少しずつ専門スキルを身につけていきましょう。
技術トレンドを学び続ける
非IT系エンジニアの分野でも、IoT、AI、DXといった技術の導入が進んでいます。
新しい技術を継続的に学び、既存スキルと組み合わせることで市場価値を高めることができます。
キャリアプランを明確にする
スペシャリストとして技術を極めるのか、マネジメント側に進むのかによって必要な経験は変わります。
早い段階でキャリアの方向性を意識することが重要です。
エンジニアのリアルな年収を知り、未来のキャリアを築く

エンジニアの年収は、職種、業界、経験、そして個人の努力によって大きく変化します。
日本のものづくりや社会インフラを支えるエンジニアは、常に新しい人材を必要としています。
未経験からでも、学習と実務経験を積み重ねることで、安定したキャリアとやりがいのある仕事、そして魅力的な年収を築くことは十分可能です。
まずは小さな一歩から始め、継続的な学習と経験の積み重ねによって、自身のエンジニアとしての市場価値を高めていきましょう。









