不動産売買仲介のお仕事とは?賃貸との違いや仕事内容をわかりやすく解説

「不動産仲介」と聞くと、多くの人がまず思い浮かべるのは、賃貸のお部屋探しかもしれません。

ですが、不動産仲介の中でも「売買仲介」は、まったく性質の異なる仕事です。
家や土地を「買う」「売る」というのは、多くの人にとって人生で何度も経験することではありません。金額も大きく、判断に迷いが生じやすい場面です。そんな大きな意思決定のそばで、情報を整理し、条件を調整し、安心して前に進めるよう支えるのが、不動産仲介(売買)の役割です。

資金計画や法的な確認、契約や引渡しまで、長い時間と多くの関係者が関わります。その分、求められる知識や責任も大きくなります。

この記事では、不動産の売買仲介という仕事に焦点を当て、賃貸仲介との違いや具体的な仕事内容、必要な力やキャリアの広がりについてご紹介します!

目次

不動産売買仲介とは?

不動産の売買仲介とは、住宅や土地、マンション、投資用不動産など、「売りたい人」と「買いたい人」の間に立ち、取引が安全に成立するようサポートする仕事です。

物件情報を紹介するだけでなく、売主と買主それぞれの事情や希望を整理し、条件のすり合わせ、契約手続き、引渡しまでを一貫してサポートします。金額が大きく、法的な要素も多いため、単なる営業というよりも「取引全体の調整役」としての側面が強いのが特徴です。

賃貸仲介が比較的短期間で契約まで進むのに対し、売買仲介は検討から成約まで数ヶ月単位で動くことも珍しくありません。購入者側であれば資金計画や住宅ローンの相談、売却側であれば価格設定や売却時期の判断など、人生設計に関わる相談が含まれるケースも多くなります。

また、売買仲介では宅地建物取引業法をはじめとした法律や契約実務への理解が欠かせません。物件の権利関係、用途地域、建築制限、税金など、専門的な知識を踏まえた説明が求められます。

こうした背景から、「物件を売る・紹介する仕事」というよりも、大きな取引を安心して進めるための専門職と言えるでしょう。

賃貸仲介との違い

賃貸仲介売買仲介
取引内容部屋・物件を「借りる/貸す」不動産を「買う/売る」
取引金額数万円〜十数万円規模数千万円〜数億円
契約までの期間数日〜数週間数週間〜数ヶ月
主な判断軸家賃・立地・間取り価格・資金計画・将来性・法的条件
関わる人借主・貸主売主・買主・金融機関・司法書士など
仕事の性質スピードと対応力が重視される調整力・専門性・責任の重さが大きい

売買仲介では、売主・買主それぞれの背景や将来の計画を踏まえた提案が求められます。
少しでも高く売りたい売主と、少しでも安く買いたい買主といった相反する条件を持つ人々の間に立って調整をすることも少なくありません。そのため、営業力に加えて、専門知識と調整力がより重要になる仕事です。

不動産売買仲介の仕事の流れ

不動産売買仲介は、売主・買主それぞれの事情をくみ取りながら、取引が安全に成立するまで伴走する仕事です。

基本的な流れは、以下のとおりです。

  • 相談・ヒアリング:売りたい理由、買いたい目的、予算や希望条件など
  • 物件調査・価格提案:周辺相場や法的条件を調べ、適正な価格や条件を整理
  • 販売・購入活動:広告掲載、内覧対応、条件交渉など
  • 契約手続き:重要事項説明を行い、売買契約を締結
  • ローン・決済の調整:金融機関や司法書士と連携し、引き渡しまでサポート

大きな金額が動く取引であることに加え、一つひとつの工程に専門知識が求められる緊張感がありますが、その分、人の人生に携わるやりがいを感じられる仕事です。

不動産売買仲介の責任

不動産の売買仲介は、高額な取引を扱う仕事です。そのため、担当者には大きな責任が伴います。

契約前には、物件の権利関係や法的な制限、設備状況などをまとめた重要事項説明を行います。専門的な内容を、相手が理解できる言葉で正確に伝えることが欠かせません。

なお、この説明をするには国家資格である「宅地建物取引士」の資格が必要です。

また、売買契約書や登記関連書類、住宅ローンの資料など、扱う書類も多く、一つひとつの確認が求められます。調査や説明に不備があれば、後のトラブルにつながる可能性もあります。

こうした責任の重さがあるからこそ、売買仲介は「信頼を預かる仕事」とも言えますね。

売買仲介に向いている人・求められる力

不動産売買仲介に向いているのは、人の話を丁寧に聞ける人です。売主・買主それぞれに事情があり、表に出ていない本音をくみ取れるかどうかが、結果を左右します。

また、責任感をもって物事を進められることも欠かせません。売買は取引金額が大きく、契約や説明に大きな責任が伴います。わからないことを曖昧にせず、確認を重ねられる姿勢が信頼につながります。

価格交渉やローン、引き渡し条件など、数字や条件を整理して伝える力も重要です。感情だけでなく、事実をもとに冷静に話せる人ほど、取引をスムーズに進めやすくなるでしょう。

さらに、粘り強さも求められます。仕事を始めたばかりの頃は、自分の顧客がいる訳ではありません。訪問営業やポスティングなど、地道な仕事を繰り返して顧客を見つける必要があります。

売買仲介は、人としての姿勢がそのまま仕事の評価に表れる仕事だと言えるでしょう。

不動産売買仲介の年収・キャリアの選択肢

不動産売買仲介の年収は、成果による差が大きい仕事です。基本給に加えてインセンティブが支給されるケースが多く、成約件数や取引金額が収入に直結します。経験を積み、安定して成果を出せるようになると、20代で年収1,000万円を超える人も珍しくありません。

また、キャリアの選択肢が多いのも特徴です。企業に所属しながら実績を重ね、管理職やマネージャーを目指す道もあれば、一定の経験を積んだあとに独立・開業する人が多いのも売買仲介ならでは。宅地建物取引士の資格を活かし、自分の裁量で働くスタイルを選ぶ人もいます。

成果が収入や評価に反映されやすく、キャリアの自由度も高い。努力次第で働き方も年収も広げていけるのが、不動産売買仲介の大きな魅力ですね。

これからの不動産売買仲介

不動産売買仲介を取り巻く環境は、少しずつ変わってきています。ポータルサイトや価格査定ツールの普及によって、物件情報そのものは誰でも簡単に手に入る時代になりました。

だからこそ今後は、「情報を持っていること」よりも、「どう整理し、どう伝えるか」がより重要になります。価格の妥当性や将来のリスク、購入後・売却後の暮らしまで含めて説明できる仲介担当者が、選ばれる存在になっていくでしょう。

また、人口減少や空き家問題の影響で、売買の背景はより複雑になっています。相続、住み替え、資産整理など、単なる取引ではなく“人生の節目”に関わるケースが増えていきます。
その分、寄り添う姿勢や長期的な視点が求められます。

これからの売買仲介は、物件を売る・買うだけの仕事ではありません。お金と暮らし、将来をつなぐ調整役として、信頼される存在であることが、これまで以上に価値を持つ仕事になっていきそうです。

不動産売買仲介という仕事の本質

不動産売買仲介とは、「家を売る・買う」を超えて、人生の大きな決断に関わる仕事です。人と向き合い、暮らしと未来をつなぐ。その役割にやりがいを感じられる人にとって、長く続けられる仕事だと言えるでしょう。

扱う金額が大きいからこそ、求められるのは知識や交渉力だけではありません。誠実に説明する姿勢や、最後まで責任を持って伴走する姿勢が、信頼として積み重なっていきます。

成果が収入に反映されやすく、経験を積めば独立という選択肢も見えてくる。一方で、地道な調整や目に見えない配慮が欠かせない仕事でもあります。

お仕事図鑑編集部
お仕事図鑑は、働く人の“リアルな経験とストーリー”を通して、未来のキャリアに役立つ視点を届ける「働くストーリーメディア」です。体験談・取材・インタビューなど複数の形で、1万5,000人以上の働く人の声を蓄積してきました。肩書きや仕事内容の説明だけでは見えにくい、仕事を選んだ理由、続ける中での葛藤、転機での判断、価値観の変化。そうした“プロセスのリアル”を丁寧に編集し、読者の気づきを次の一歩につなげるヒントとして届けます。
目次