それは自分の居場所でした。デジタルノマドという職業で見つけたたくさんの宝物とは?

Akina – デジタルノマド

神奈川県横浜市出身。2025年時点で、世界5周目、50カ国以上を訪ずれる。Nomad Universityの創設者、Colive Fukuokaの共同創設者。Podcast『Nomad University』では50名を超えるノマドへのインタビューを配信。2024年、世界中から約200名のノマドがエントリーするアワードで、「デジタルノマド新人王」として世界一に。世界と日本の架け橋として、社会貢献活動にも力を入れながら、国際的なカンファレンスでの登壇に多数招かれている。

会社勤めでも、フリーランスでもなく、もっと自由に生きていきたい! そんなことを漠然と思ったことはありませんか? 旅をしながら働く……、それは「デジタルノマド」というこれまでの日本になかった生き方です。それを実現したAkinaさんは、今や世界を代表するデジタルノマド。Akinaさんが主宰の福岡のノマドフェスは、自治体も大歓迎で世界最大級のビッグスケールに成長しました。

Akinaさんが次々と夢を実現できたのは、世界のデジタルノマドのキーマンと出会えたことに由来します。世界5周の旅がきっかけになり、また「ノマドユニバーシティ(ご自身のオウンドメディア)」というポッドキャストで世界のノマドに英語でインタビューしたことで繋がれました。

世界のノマドは、実は訪れた国の文化やその国の人たちを知りたいと思っているがどう接していいかが解らないことを知ります。ならば「世界と日本をつなぎ、居場所をつくること」が自分のミッションだと自覚し、デジタルノマドと地域、日本人の若者をつなぐ場を本気でつくり続けている!それがAkinaさんです!!

Akinaさんを揺り動かしているものは、幼少期からのアイデンティティクライシスだとか。どこに居ても自分の居場所がない。そんな自身の葛藤が続くなかで、世界のどこかに居場所を求めた結果、デジタルノマドという、とんでもなく素晴らしい生き方に辿り着いたのです!

目次

世界を巡り、「多様な生き方」を届けるまでに

旅をしながら働く――いわゆる「デジタルノマド」という生き方を実践しながら、Akinaさんはここ数年、世界中のノマドたちに出会い続けてきました。その出会いを一つひとつ丁寧に紡いできた場が、「ノマドユニバーシティ(Akinaさんのオウンドメディア)」という英語のポッドキャストです。番組では、海外でノマドとして働く人たちに英語でインタビューし、「どんなふうに生きているのか」「どんな働き方を選んできたのか」などをじっくりと聞き出します。そこには、会社員でもフリーランスでもない、新しい生き方の選択肢がいくつも広がっていました。

その内容を日本語に翻訳し、noteでは「ライフスタイルメディア」として配信しています。日本語で読みたい人には記事として、英語で触れたい人には音声として――二つの入り口から、「世界にはこんな生き方もある」というメッセージを届けてきました。

インタビューを重ねるうちに、ポルトガルで“デジタルノマド村”をつくった人、スペインからブラジルへ向かう「ノマドクルーズ」を企画した人、700人規模の「バンスコ・ノマドフェス」を主催する人たちなど、世界各地の“ノマドのキーパーソン”とのつながりが少しずつ広がっていきます。

福岡初! 世界のノマドと地域の出会いの場!!

世界のノマドのキーパーソンの活躍を知ったAkinaさんは、大いに刺激を受けて、自分もノマドの役に立つことをやりたいと思うようになりました。彼らが共通して教えてくれたのは、

「どんなに大きな変化も、最初はたった一人の“本気の人”から始まる」というシンプルな事実でした。その言葉を受け取ったとき、Akinaさんの中に芽生えたのが、

「それなら、日本でも私たちでやってみてもいいのかもしれない」という静かな決意でした。

こうして2023年、ビジネスパートナーにも恵まれてAkinaさんが立ち上げたのが、デジタルノマドフェスティバル「コリブ福岡(Colive Fukuoka)」です。毎年10月は1カ月間、世界中からデジタルノマドを福岡に招き、暮らし・仕事・出会いが混ざり合う……ここにしかない時間をつくっています。

2023年は24カ国から約50人のノマドが来日。世界を5周してきた(当時は3周目の最中)Akinaさんが、旅の中で出会った友人たちに声をかけ、「日本に来てみない?」と誘ったところからスタートしました。参加者の口コミや紹介で広がり、2年目は一気に45カ国・約450人、3年目には55カ国・約500人が福岡に集結。無料登録者は1000人を超え、「アジア最大級」と呼べる規模になりつつあり、来年は世界最大になることも見えてきました。

起業家も集まり地域も活性化し、皆が笑顔に

フェスの中心となるのは、住吉神社・能楽堂で行う2日間のサミットです。

「生き甲斐」「道」といった、日本ならではのコンセプトをテーマに、世界各地で活躍するスピーカーたちを招き、英語での基調講演やパネルディスカッションを実施します。

その周辺では、酒蔵見学や舞妓さんの踊りの鑑賞など、日本文化に触れるアクティビティが行われます。さらに、福岡のスタートアップイベント「ラーメンテック」ではピッチに参加できる機会もあり、文化とビジネスが交差する独自のプログラムとなっています。

フェスに参加し、うまくいけば福岡での起業や長期滞在につながることもあるので、ビジネスチャンスを掴みに、多くの若手起業家も集まっています。実際に新ビジネスが生まれたり、商談がまとまったりすることも多々あり……。さらに、1カ月間の*コリビングプログラムでは、参加者が同じアパートに暮らしながら、コワーキングツアースペースで一緒に仕事をしたり、週末の小旅行などを一緒に楽しみます。気の合う仲間と新しいプロジェクトが生まれたり、生涯続く友人関係が育まれたり――「暮らしの延長線上でビジネスが芽吹く」のが、この場の特徴です。

(*コリビングとは、「シェアハウス」と「コワーキングスペース」の2つの特徴を併せた住居のこと)

参加するノマドの背景も実にさまざま

海外から参加するノマドの思いは……

「日本に前から行きたかったけれど、言葉やコミュニティが不安で踏み出せなかった」

「起業家として自分のビジネスを次のステージに進めるチャンスを探していた」

「長く滞在できる拠点として福岡をはじめ、日本を検討中」

「日本に来て、地元の人とつながりたいと思っているノマド」

一人ひとりのノマドの思いは違えど、「話したい、知りたい」という思いは国境を超えて同じなんです。

一方で、福岡を中心とした日本人の参加者は……

海外に興味のある大学生や、英語を使って仕事をしてみたい人たちなどがいます。

「ノマドの生き方を知りたい」「世界の人と友達になってみたい」

そんな若い世代にとっても、コリブ福岡は貴重な“出会いの場”になっています。

言葉の壁や居場所のなさが理由で、海外への一歩をためらってきた人たちの背中を押す光を届けています。

また、地元の人たちも世界のノマドが福岡に来てくれることには非常に好意的で歓迎ムードに溢れています。もちろん新しい出会いの場を求めて国内の若手起業家が集まることは、地元の人も自治体もウェルカムです。

訪れる方も、迎える方もどう接していいのかが解らなかったところが、開催を重ねるうちに社会が注目するイベントに成長しました。多くの方が世界から訪れるということは、自治体としても新しい挑戦になり、もちろん経済効果もあります。

福岡という街で生まれる出会いが少しずつ人々の固定観念をほどいていく――。そこでは、自治体も、世界から集まるノマドも、地元の人々も、互いにプラスの関係を築いています。

Akinaさんが「ここでは、みんなが幸せになれる」と語りたくなる出来事があちこちで花開きます。

幼少期のアイデンティティの葛藤、居場所が見つかるまで

そんな活動の背景は、Akinaさん自身の原点にありました。

生まれも育ちも日本、出身は横浜。小学生の頃は内気な性格でしたが、中学でテニス部に入って、少しずつ外向的になっていきました。中2・中3のときには父の転勤で台湾へ、高校時代にはハワイへ留学。20代は、国際交流の場に積極的に関わり続けてきました。

両親は中国出身。しかし、自分は日本で生まれ育った――その背景ゆえに、子ども時代は「中国に帰れ」と言われることもあれば、中国に行けば「日本人だ」と見られることもありました。どこにも受け入れられない、どこに行っても「自分はここに属していない気がする」。

そんなアイデンティティクライシスに、長いあいだ悩まされた日々。しかし、転機となったのは、台湾やハワイで、自分と似たようなバックグラウンドをもつ人たちと出会ったことでした。

「日本でも中国でもない“間”にいる自分」を、そのまま受け入れてくれる仲間たち。

そこで初めて、自分のルーツを肯定でき、この背景を活かしてもいいのかもしれないと思えるようになったのです。

今、彼女がコリビングやフェスを通じてつくろうとしているのは、まさに居心地の良い場所でした。

日本社会で息苦しさを感じている人に、「世界は日本だけじゃない」「あなたにフィットする場所は他にもある」と伝えたい――それは、幼少期の自分に向けたメッセージでもあります。

大病による車椅子生活、最愛の母の他界。世界放浪の旅に出た理由は?さらに人生まさかの事件に遭遇、南アフリカでナイフを突きつけられてiPhoneを盗られる恐ろしい体験。それでもあきらめなかったAkinaさんを支えたものとは?

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