デジタルノマド・Akinaさんに聞く【第3回】自分自身の心地よい未来への歩み

デジタルノマドとして世界を旅し、多くの人々にインスピレーションを与え続けるAkinaさん。これまでの連載では、彼女が自由なライフスタイルを築き上げるまでの「原点」と、南アフリカでの壮絶な体験を通じて得た「覚悟」に迫りました。

最終回となる今回は、Akinaさんの「現在地」と「未来の夢」に焦点を当てます。デジタルノマドフェスティバル「Colive Fukuoka ( コリブ フクオカ )」を、3年間でアジア最大級のフェスティバルに育て上げたことに貢献した彼女が、次に見据えるものとは何なのでしょうか。打ち上げ花火のような熱狂から、線香花火のような静かな幸せへ――。その心の変化と、新たな挑戦の物語をお届けします。

目次

「コリブ福岡」の成功と、新たなフェーズへの移行

Akinaさんが福岡で立ち上げたデジタルノマドフェスティバル「コリブ福岡」は、3年目にして55カ国から約500人が参加する世界最大級のイベントへと成長しました。しかし、その成功の裏側で、Akinaさんの心には新たな想いが芽生え始めていました。

行動力と情熱だけで切り拓いてきた3年間。今、この場所は参加者の力で自然と輝きを増し続けていると感じているそうです。口コミが広がり、信頼の輪が重なっていく様子を目の当たりにし、コミュニティの成熟を肌で感じ、輝きを増していく「コリブ福岡」は、Akinaさんにとって一つの完成形。だからこそ、この素晴らしいバトンを次代の手に委ね、自身の次のフェーズへと歩みを進めるタイミングが来たのだと、前向きな予感をAkinaさんは感じているそうです。

打ち上げ花火より、線香花火の幸せへ

10日間で500人と出会う。華やかでスケールの大きいフェスティバルは、まさに「打ち上げ花火」のよう。しかし、その一方で、「500人全員と深くつながるのは難しい。名前と顔が一致しないまま別れてしまうのが、少し切なくなってきて」とAkinaさんは語ります。

いつしか彼女が惹かれ始めたのは、派手さはないけれど、目の前で静かに光る「線香花火」のような時間。少人数でじっくりと向き合う、愛おしい関係性でした。

「大きな花火もいいけれど、今の自分は、目の前の数人と深く関わるほうに喜びを感じます」

この心の変化は、Akinaさんを新たなプロジェクトへと向かわせます。

投資家として世界を巡る、新たな挑戦

近年、Akinaさんは「投資家」として世界を巡るという新しいスタイルを確立しました。その象徴が、フランスの古城再生プロジェクトです。ヨーロッパの友人から「一緒に城を買って再生しないか」と誘われ、フランス語もほとんど話せない中、現地のオーナーや地域の人々と10日間を共に過ごしました。

「どうすればこの城に、もう一度人が集まる場所にできるか」

旅人、ノマド、そして投資家としての視点を組み合わせ、地域と世界、人とプロジェクトをつなぐ「橋をかける人」としての役割が、ここでも発揮されています。

Akinaさんの次の挑戦は2つ

一つ目は、日本の魅力を世界に伝えていくこと。

「世界的に見ても日本にしか持っていない魅力を、より世界に向けて発信、普及をしていきたい気持ちが増してきました。例えば、日本にしかないコンセプト「生きがい」や、無形文化遺産に選ばれた和食や日本酒の魅力、日本にしかない独自のスポーツ大相撲を世界に普及していきたいです。日本をより深く知ってもらい、体験してもらうことで、日本に還元していきたいと思う海外の人を増やしていくことも叶えていきたいことの1つです」

もう一つのテーマは「デジタルデトックス」。常にオンラインであることが求められるノマドだからこそ、意識的にオフラインの時間を作りたい。キューバを自転車で旅したり、スリランカでアーユルヴェーダを体験したり。その経験を写真や言葉で表現し、個展を開くことも構想しています。

これらの活動の根底には、「生き甲斐」に対する深い気づきがあります。85歳のおばあちゃんへのインタビューで学んだ「自分の行動で誰かが喜んでくれる、その小さな『ありがとう』の積み重ねが生き甲斐になる」という言葉。そして、「まずは自分の幸せのバケツを自分で満たす。そのバケツから溢れた分が、自然と周りに広がっていくような生き方をしたい」という想いです。

あなたにとっての心地いい場所は、きっとある

「もし今の場所がしんどいと感じているなら、世界は日本だけじゃない。あなたにとって心地いい場所は、きっとどこかにある。そして、そこに向かう一歩は、いつ踏み出してもいいんですよ」

「それに、デジタルノマドは、生活拠点をどの国に置くかにより必要になる費用も変わってきます。最初の稼ぎが少ないうちは東南アジアで暮らし、問題なく稼げるようになればアメリカやヨーロッパに拠点を移すなど、自分の状況に合わせて選択すればいいのです」

と教えてくれるAkinaさん。私たちが思う以上に、世界へ繋がる道は明るく、気軽に始められるのかもしれません。彼女の旅は、これからも多くの人々に、自分らしい幸せを見つけるための勇気とインスピレーションを与え続けてくれることでしょう。

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